

バイエルには番号のついている曲の他に、音階の練習が含まれています。
音階練習はどんな楽器にも必ずあります。ですから、毎日練習すると基礎力が身についていきます。気をつける点は“親指をくぐらす”ことです。最初は難しいですが、これをマスターすると弾ける音の範囲が広がって、さらに楽しい曲が弾けるようになりますよ。これも動画にありますので、毎日の練習に取り入れてみてくださいね。ハ長調は♯や♭がないシンプルな音階です。
子どもの歌にもたくさん使われています。No.62は両手がそれぞれ大きく移動する曲ですが、指の運動と同時に目(視覚)の移動が必要になってきます。これをマスターすると、音の幅が広がっている曲でもスラスラと弾けるようになる曲が増えていきます。



No.35からは左手だけ手の位置が変わります。そして、No.37~No.40まではまだ正式な形式ではありませんが、ト調長音階で書かれた曲が登場します。右手の置く位置も変わりますから、弾けるようになる音の幅も広がっていきます。ト長調はファが#の音階です。
その先のNo. 56、No.57、No.61、そしてだいぶ先に飛びますがNo.78やNo.88も同じ音階で書かれています。No.78は右手をハキハキと元気よく弾きましょう。No.88は右手の付点リズムがまるでスキップしているように弾きましょう。子どもの歌には付点リズムのある曲がたくさんあります。
楽譜を見てどんな曲があるかチェックしてみてくださいね。付点リズムをノリノリで歌えるように〜

ニ調長音階(ニ長調)とNo.75,No.80を練習してみましょう〜
子どもの歌の中にはニ長調で作られたものが多いです。ニ長調はファとドが#の音階です。
例えば、“めだかのがっこう”、“あめふりくまのこ”、“いぬのおまわりさん”、“おつかいありさん”などです。指をくぐったり、和音を弾けると“とけいのうた”、“こいのぼり”、“ことりのうた”などが弾けるようになります。名曲中の名曲ですね。
これらを全てマスターするには少し時間がかかるかもしれませんが、同じ調で書かれた“ふしぎなポケット”にチャレンジできるようになります。さらに、同じくト長調で書かれたNo.68,No.69,No.70,No.71,No.72,No.74,No.76もマスターするとさらにレベルアップできるので、“やまのおんがくか”にもチャレンジしてみましょう。クリスマスの季節には“ジングルベル”はどうですか?さらにレベルアップして、“小さな世界”に行ってみては??

ハ長調で書かれた曲にはどのような曲があるでしょうか。“おはようの歌”、“せんせいとおともだち”、“うんどうかいのうた”、“おべんとう”など、子どもたちがみんな大好きな曲ばかりですね。歌うのも難しくありません。
No.65は音階の応用編です。No.66もマスターしたら“おもいでのアルバム”にチャレンジしてみましょう。この曲は卒園式でもよく歌われますね。左手の伴奏形は共に同じです。
No.67やNo.95には右手に和音が、No.84は両手に三度ずつ動く和音が出てきますから、最初のうちは弾きにくいですが、これをマスターすると和音が出てくる曲が弾きやすくなります。
“おもちゃのチャチャチャ”は子どもたちが好きな曲ですね〜、和音が弾けるようになると、音に厚みを帯びてきてさらに表現の幅が広がっていきます。

へ調長音階(へ長調)の練習を経て、No.92,No.94,No.96,No.98,No.100,No.102,No.104に入るとさらにいろんな曲が弾けるようになりますよ。例えば、“ありさんのおはなし”、“たなばたさま”、“あわてんぼうのサンタクロース”、“ぞうさん”、“まつぼっくり”、“南の島のハメハメハ大王”などです。バイエルの後半は音の数も多くなり、リズムも複雑になりますから、あきらめずに練習してくださいね。付点のリズムもさらにマスターすると、“おはながわらった”のような難易度の高い曲も弾けるようになりますよ。それから、リズムは難しくないですが“おおきなたいこ”はfとpの強弱差をつけることが楽しい表現へとつながっていきます。バイエルにも途中から強弱が出てきますから、顔の表情も意識してみると楽しくなりますよ。年長の子どもたちが卒園間近になったら、“一年生になったら”はどうですか?この曲もへ長調の曲です。へ長調は特に心を明るくしてくれる調です。
No.99は唯一の変ロ調長音階の曲ですが、子どもの歌では“おすもうくまちゃん”がその調で書かれています。黒鍵を弾くことは難しいので、よく練習してから付点のリズムがはずむように弾いてみてくださいね。
どのような曲にも必ず“調”とそれに伴う“音階”が存在します。
バイエルをマスターすると、皆さんが保育者になった時に子どもたちと
一緒に楽しんで歌える曲がたくさん弾けるようになりますよ。
がんばって練習してくださいね。